モナ・リザのパネル

モナリザのパネルは1939年以降に貼られた古い紙で角の部分を保護されていましたが、現在はその部分が剥がされ、隠れていた部分を直接観察できるようになっています。

パネルの色は表面が経年劣化でこげ茶色がかっていますが、もともとはもっと薄い茶色だったこともわかります。そして、パネルの上下の端には鋸で切った跡がかなりはっきりと見えています。その他、パネルの外周と裏面には寄生虫の穴の痕跡が多数あります。

このパネルの外周は下地が塗られていない木の部分で切断されており、描画層は切断されていません。以前にはモナ・リザの画面は両サイドの柱の部分が切断された過去があるといった話が信じられていた時期もありますが、実際には柱が描かれていたのは切断面より内側の下地の端まででした。

パネルの現在の幅は上部で 53.3 cm、下部で 53.4 cm 、パネルの高さは右側が 79.2 cm、左側が 79.1 cm、中央が 79.4 cm です。

パネル周囲の未塗装の境界部分は、パネルを元のフレームに差し込むために使用しています。

Panel of Mona LIsa Left

Panel of Mona Lisa Bottomモナリザのパネルは、ポプラの幹を縦方向に鋸切りした平らな木目部分から採取されています。
ポプラはイタリアでは一般的で、イタリアの絵画には頻繁に使用されています。木目は、垂直に走るかなりかすかな年輪を見ることができます。これらはパネル背面の左半分にはっきりと見えています。

500年前に切り出されたパネルは、現代のようには厚みが均一ではありません。最近の調査では、パネルの厚さは 12.4 mm から 13.8 mm の間であることが示されています。

幅全体では下 3 分の 2 が中央部分が縁よりも厚く、上 3 分の 1 では関係が逆転し、特に上端に向かうと中央部分が縁よりも薄くなっています。

 

Panel of Mona Lisa RightPanel of Mona Lisa Top

 

モナ・リザの頭部に縦に割れる亀裂には裏側から二つの蝶型の木のコマで補強されるほか、パネル上端にもそれ以上亀裂が広がらないように補強材が貼り付けられています。

日本では木の板に描かれた絵を見る機会はそれほど多くなく、あまり馴染みがありません。

しかし、海外の有名な美術館で展示されている多くの絵は板に描かれており、その質と量には驚かされます。特に大きめの祭壇画などでは正面から見ても威圧感はかなりのものがあるのですが、裏に回ればさらに物々しい補強材に圧倒されます。絵というよりもまるで建造物のようで重量感も相当なものがあります。

モナ・リザのパネルがどれくらいの重さがあるのか正確な資料がないのでわかりませんが、ポプラの比重を0.45で計算すると

79 X 53 X 1.3 X 0.45 = 2449 となり、約2500gになります。


 

パネル外周の詳細

 

Details around the panel

左図- 画面右端の拡大図

画面のきめ細かい表面とは異なり、パネル端の下地はザラザラと盛り上がっており、部分的には下のパネルが透けて見える部分もあり、かなり雑な感じがします。

下地は切断面の少し手前までしか塗られておらず、柱の描写も切断面までは届いていない事がわかります。

モナリザは製作中も常に額縁に飾られていた事がパネル外周の状態から伺えます。

 

 


 

 

 

パネルの裏側

板絵の場合、パネルは常に絵が描かれていない後方に反る傾向があります。

そのため、モナ・リザにはオーク材による補強と空調管理によりパネルの反りが進行しないような対策が施されています。

亀裂については、モナリザの頭部にも正面からはっきりとわかる亀裂が縦に走っています。その部分はバタフライ型の木材のパーツを裏側から2か所はめ込んで、それ以上割れないようにしています。さらに、縦に入った亀裂の裏側からキャンバス地のような布を貼り付け補強がなされています。

下の画像はパネル補強用のフレームを貼っていない状態です。フレームはオーク材でできており、パネル外周に額縁のように取り付けられます。さらに、そこから4本の横木を渡してパネルを支える構造になっています。横木の種類は何度か変更されており、現在はプラタナス材で製作されています。

板の外周に沿ってパネル裏面の厚みを若干削って薄くしている部分は褐色に変色する以前の木地が見えています。

 

 

 

 

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